歯周病治療
日本歯周病学会認定歯科衛生士
当院には、日本歯周病学会認定歯科衛生士が在籍しております。
歯科衛生士とは、歯周病の治療や口腔ケアのスペシャリスト。主に、専用の器具を用いて歯垢や歯石を取り除くお掃除や、患者さまのお口の中を継続的にチェックし、むし歯や歯周病にならないように維持管理する仕事をしてくれています。
中でも、「日本歯周病学会認定歯科衛生士」は、日本歯周病学会から、歯周病患者に対する検査や処置において一定以上の知識と経験を有すると認められた歯科衛生士のみに与えられる資格で、2023年現在、1,413名の方が取得されている資格です。
認定歯科衛生士試験に合格するためには、日本歯周病学会の定めるガイドラインに沿った処置を行った症例を提出する必要があり、歯周病治療終了後も6か月以上健康な状態を維持できていることなども求められるため、治療技術はもちろんのこと、患者さまとの良好な信頼関係も必要とされる資格です。
当院では、担当衛生士制を採用しており、初診時より患者さまのお口の中を確認しながら処置を行います。
数値では見れないようなお口の中の状態の変化も敏感に察知し、効果的なアドバイスや適切な処置を行うこともできます。
ブラッシングが上手になったが、日々の生活状況に変化はないか、など、患者さまとのコミュニケーションを大切にしながら2人3脚で治療に取り組んでまいります。
担当衛生士制
当院では、経験を積んだ歯科衛生士が一人の患者さまをずっと担当する「担当衛生士制」を採用しております。
歯周病治療において担当衛生士制を採用するメリットは、なんといっても「同じ人の基準」で計測測定ができるということ。もちろん、歯周病検査には一定の測定基準があるのですが、測定する人によって、その数値が意外と大きく違いが出たりしてしまうこともあるからです。
担当衛生士は初診時より患者さまのお口の中を確認しながら処置を行いますので、数値では見れないようなお口の中の状態の変化も敏感に察知し、効果的なアドバイスや適切な処置を行うこともできます。
ブラッシングが上手になったが、日々の生活状況に変化はないか、など、患者さまとのコミュニケーションを大切にしながら2人3脚で治療に取り組んでまいります。
歯周病とは
歯周病とは、歯を支えている骨や歯肉などの歯周組織に起こる病気で、歯周病の主な原因は、お口の中にいる細菌です。
歯磨きがしっかり出来ていないと、歯の周囲にプラ-ク(歯垢)が付きます。プラーク中には億単位の細菌がいて細菌が出す毒素によって周囲の歯肉が炎症を起こします。
この炎症をそのまま放置しておくと、歯を支えている骨が溶けて少なくなり、歯がぐらぐら動くようになって噛むことが出来なくなってしまいます。
歯周病が与える全身への悪影響
実は、歯周病はお口の中のみならず、多くの病気の発症や進行のリスクになる恐ろしい病気です。
近年、歯周病に関するさまざまな研究が進み、歯周病菌が血液を介して全身に回ると、血管を刺激し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることがわかってきています。
また、歯周病が糖尿病を悪化させる原因になることや、妊娠中の女性が歯周病にかかっている場合、お腹の中の赤ちゃんに影響を与える可能性 があることも判明しています。
全身の健康のために、歯周病の予防と早期治療に努めましょう。
歯周病との関連が指摘されている症状
狭心症・心筋梗塞
歯周病菌は血液に乗って全身を巡ります。
心臓まで達した歯周病菌は、血管の内側を狭くしたり、詰まらせ、狭心症や心筋梗塞なをひきおこすとされています。
心内膜炎
心臓の中に入り込んだ歯周病菌が、心臓の弁に付着すると、心内膜炎を引き起こすことがあります。
脳梗塞
脳の血管にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が詰まり脳梗塞を引き起こします。
歯周病の人はそうではない人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。
糖尿病
糖尿病と歯周病は相互に関連がある生活習慣病です。
糖尿病になると免疫力が低下して感染症にかかりやすくなります。同様に、細菌感染である歯周病にかかる可能性が高くなります。
一方、歯周病にかかることで、増殖した歯周病菌が、血液中に流れこみ、インスリン(血糖をコントロールしているホルモン)の働きを妨げて、糖尿病が悪化してしまいます。
早期低体重児出産
歯周病菌の炎症により産生される物質が、胎児の早産や低体重児出産のリスクを高めます。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
誤嚥によって歯周病菌が肺に入り、肺炎を引き起こします。
骨粗しょう症
骨粗しょう症の人は歯周病にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあります。
リスクを把握する、唾液検査
唾液検査とは、唾液を採取し、口腔内の状態をデータ化してリスク分析を行う検査です。
唾液検査では、見た目ではわからない歯と歯ぐきの健康度や、お口の清潔度がわかります。
まずはお口の中の状況をしっかりと把握することで、患者さま一人一人に合ったセルフケアのご提案や、食生活習慣のアドバイスをさせていただきます。
毎日何気なく行っている歯磨きを、より効果的なものにして、お口の健康を獲得、維持できるようにしましょう。
当院での歯周病治療
ブラッシング指導
ブラッシング指導とは、歯磨きのやり方の指導のことです。
歯磨きのやり方なんて、教えてもらわなくても解ってるよ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、ご自身ではちゃんと磨いているつもりでも、プラークを落としきれていないケースがとても多いでのす。
また、歯並びや歯の状態は年齢を重ねると共に変化してきますので、その時その時のご自身のお口の状態にあったブラッシング方法をマスターする必要があります。
当院では、患者さまのお口の中の状態や、磨き方の癖なども考慮しながら、丁寧に指導させていただいております。
スケーリング&ルートプレーニング
スケーリングとは、歯に付着しているプラークやこびりついた歯石を、スケーラーという専用の器具で除去することです。
歯石は、時間が経てば経つほど硬くなり、ブラッシングではなかなか取ることができません。そのため、プロの手によるケアが必要となります。
また、スケーリングの後はルートプレーニングを行い、歯の根の表面をツルツルになるように磨いていきます。こうすることで、歯の表面にプラークが付きにくくなります。
軽度~中等度の歯周病であれば、ご家庭でのブラッシングと歯科医院でのスケーリング&ルートプレーニングをしっかりと行うことにより、ほとんどの症状は改善が可能です。
歯周外科治療(フラップ手術)
歯周病が進行し歯周ポケットが深くなってしまうと、スケーリングやルートプレーニングでは歯周ポケットの奥深くまで入り込んでしまった汚れや歯石を除去することが非常に困難になります。
そのような場合には、歯ぐきの側面から歯ぐきを切り開き、歯根近くにある汚れを直視下で除去するためのフラップ手術が有効になります。
スケーリングやルートプレーニングの場合とことなり、直接目で汚れを確認しながら除去していくことができるため、歯石や細菌を徹底亭に取り除くことができるのがメリットですが、その反面、外科手術を伴う処置のため、患者さまのご負担は大きくなってしまう傾向にあります。
また、症状によっては適用できないケースもありますので、担当の歯科医師とよく相談されることをおススメします。
再生療法
歯周病で溶けてしまった骨は基本的には元に戻すことができないため、今までは歯周病により顎の骨が溶かされてしまうと、その骨に支えられている歯は抜くしかないという状況にありました。
ですが、現在では歯科医学の進歩により、いくつかの方法で骨の再生が可能となりました。
リグロス(保険適用)
リグロス(一般名:トラフェルミン)とは、骨の再生を促す成長因子を成分とした世界初の歯周組織再生医薬品です。
2017年4月から保険適用での治療が認められた薬剤で、進行してしまった歯周病でも歯を抜かずに治療できる可能性が高まると期待されています。
フラップ手術により歯石や汚れをしっかりと取り除いたあと、失われてしまった骨の部分にリグロスを塗布することにより骨と歯周組織の再生を図る方法で、現在は大学病院を中心に取り扱われています。
一般の歯科医院ではまだこの薬剤を導入している医院はほんのわずかですが、当院はいち早く診療に取り入れ、歯周病治療に活用しております。
自家骨移植(保険適用)
自家骨移植とは、骨移植の際に人工の骨ではなく、自分の骨を移植することで骨の再生を図る方法です
自分の骨を使用するので安全で安心できるという事、治療の成功率も高いという事が最大のメリットかと思いますが、その反面、健全な部分から骨をとる手術も必要になるため、身体への負担が大きくなってしまうというデメリットもあります。
また、すべてのケースで適用可能というわけではございませんので、まずは適用が可能かどうかしっかりと診断をする必要があります。